2011年12月16日金曜日

クジ運良いのか悪いのか

抗がん剤ABVD療法1回12日目(1-day12)

統計で言って、リンパ腫という病気にかかる人は日本人で毎年10万人中7人とか8人くらいだそうです。

昨日、患者仲間のKさんと話していて「自分はなんて不幸なんだと思いませんでした?なんで自分が?って」と聞かれ、そういえばそんな気持ちにはとんとならないな、と思った。なんでだ。

Kさんの病気発覚はけっこう急展開だったそうだ。
なんだか息苦しくなって病院に運ばれそのまま入院し、実は縦隔のリンパ腫肥大のせいで肺やら心臓やらを圧迫していてステージIVだということが判明、ほっとけば3ヶ月で死ぬと言われ化学療法プラス移植が必要であと半年はずっと入院予定だとか。

その点、自分の場合は怪しい気配が徐々に現れ、判明するまでまどろっこしいくらいだったからショックもわりと小さくすんだのかもしれない。「治せる病気だ」と、時間をかけて受け入れてきた。

病気にかかる、というのは損得でいうと確かに損だ。大損だ。本人はしんどいし周囲のフォローも必要だし、治療費がかかるし働けないから収入も落ちる。

それでも、死ぬわけじゃない。
リンパ腫にかかったことが不運と思うより、今の時代のこの国に生きてて幸運だったと思う。
血液とか免疫系の疾患なんて、ひと昔前ならどうやっても治しようのない難病だったのがほとんどだ。それが、先人たちの研究の積み重ねと科学技術の進歩と新薬の開発などにより回復可能なものにまでなった。

莫大にかかる治療費用も、税金みたいな健康保険のおかげで自分のサイフから捻出できるレベルに圧縮される。しかも「働けない」ことの補償で一定収入まである。
家族と遠く離れ、会えないことは淋しいけれど、自分の帰りを待っている家族がいるということは本当に幸せだと感じる。
職場では、仕事から外れる自分の穴を埋めつつもいたわって送り出してくれた皆様に感謝。
心配し、応援してくれる友達に感謝。
診てくれる医師先生たち、体調管理にこまごまと世話してくれる看護師さんたちに感謝。
今は、不幸と感じる以上に、自分はどれほど恵まれているのかとただただ実感するばかり。
全てを神様に感謝します。

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