みそ汁ってかなり日常にあふれたメニューだけど、おいしいんだねえ。
昨年末、退院して家で食べたみそ汁に感動して以来、その実力を見せつけられるばかりです。
「おせん」きくち正太
一時期テレビでドラマ化もされてたらしいです(←テレビあんま見ない)
老舗料亭を舞台にした、料理漫画・・・かな?
和食だけでなく、用の美や心意気など「和の美意識」というんでしょうか、
日本の文化の良いところを思い出させてくれる作品です。
読む度にうまいもんが食べたくなる。
越後村上三面川 鮭の塩引き |
うまいもん、て何か。
料亭の話なので素材も技術も一級なわけですが。
この漫画の焦点はもうちょっと違う所にあります。
素材を活かす。
料理→必要な具材 ではなく、素材が出発点の考え方
旬のもの−今は何がうまくて、
それをどうやって味わうのが良いかと。
そのためには手間ヒマがかかったりするけど、
それを惜しまない人達。
そして素材のほうも、良い物を追いかけていくと、野生/天然/手作りなど、合理化とは対局にある概念が大事になってくる。
野生のエノキ |
一面だけ見ると、めんどくさいかもしれない。
でも、うまいもん食べるため、食べてもらうため、喜んでやる人達。和食っていいなあ。
あー新鮮な刺身が食べたいよう。 ※まだナマモノ禁止です
スキャンじゃないから見にくいなあ… |
みそ汁の話(6巻)では、手作り味噌の仕込みが行われる。
昔はどこの家でもやっていたと。
「手前味噌」というのは、自分ちの味噌がいちばんだぜっていう自負の心。
材料は、大豆と塩と米麹。そんだけ。
だから、ごまかしはきかない。だから、なるたけいいもんを揃える。
大豆は目で見て選別し、冬の寒空に冷たい水で洗うなど、手をかけて仕込み寝かす。
そうやって作られた味噌を使って、みそ汁が登場。うぅぅ。うまそう。
美味しい料理、というのはレシピのことではなくて、
それを作る「素材」と作る「人」によって生まれるんだなあ、としみじみ。
話によっては「そりゃあ漫画だろ」って部分もあるんですが
食べる「人」にも食べられる「物」にも愛情たっぷりな作品です。おすすめ。
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